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執筆者の写真株式会社SG 代表取締役 庄司

【スタート編】独立を選ぶべきか、既存の軽貨物運送業者に所属するべきか

更新日:10月25日


【スタート編】独立を選ぶべきか、既存の軽貨物運送業者に所属するべきか

 今回は、個人事業主の方が軽貨物運送事業を起業する際に、独立を選ぶべきなのか、既存の軽貨物運送業者に所属するべきなのかについて解説します。

※稀なケースですが、初めから登記し法人化する方や事業再構築補助金などを利用して既存事業から変更して参入される方も居ます。

 気持ちとしては一番前のめりになっている状態ですが、何から動き出せば良いのかを慎重に検討しなければいけません。

今回は、ほとんどの方が個人事業主としてスタートされている事例が多いので、個人事業主の方にスポットライトを当てて解説したいと思います。

 

目次

 

 ●軽貨物運送業界の独立開業

 ●軽貨物運送業界の屋号について

 ●軽貨物運送業界の会社に所属

 ●軽貨物の会社(法人)について

 

 ■軽貨物運送業界での独立について

 開業する際に、個人事業主として屋号(〇〇運送など)をつけて事業を開業します。


 「自身で開業」した場合も、「既存の会社に所属して開業」した場合も、個人事業主(自分が主)という立ち位置自体は変わりませんが、対同業社から見られ方は少々差異があるのが実情です。


 企業側の見方としては、以下のように独立と会社所属では見られ方が違う傾向があります。

 

【独立している場合】=【協力会社】

【既存の運送会社所属】=【自社ドライバー】

 

 どちらの開業を選択するかによって業務内容は変わっていきます。


 

 次はそれぞれの開業「メリット」「デメリット」「業務内容の違い」などを解説していきます。


 ●軽貨物運送業界の独立開業

個人事業主が屋号をつけ代表者となり開業をします。

軽貨物運送業界の特徴は、1人以上で軽自動車と運転免許さえあれば独立開業可能なので、参入障壁が低く個人事業主として1人で開業するのが主流です。

※一般貨物の場合には、最低5台かつ5人が必要であり、更に運行管理者などの資格も必要になります。

また、すでに事業を行っている方が、事業拡大として参入する事例も多いです。


 ○ メリット

一人から開業できる

軽自動車1台からスタートできる

普通自動車運転免許があれば始められる(AT、MT問わず)

別事業の様に、特別な資格等が要らない

幅広く荷主を選び仕事につける


 × デメリット

一人から開業は可能な反面、責任が問われる

仕事を自分自身で獲得しなければならない

請求書などの作成や入金作業が伴う

FAXなどの送受信を必要とする

軽自動車の用意が必要となる

人員拡大した場合に休み対応や緊急対応などの管理体制が必要となる

参入障壁が低いため、他社(他者)との差別化や優位性の確保が難しい

コロナ禍以降、需要が増加しており、失業者も多かったので参入事例も多くレッドオーシャンである。


 ●軽貨物運送業界の屋号について

独立を選ぶ際に屋号とは個人事業者が使用する商業上の名のことを指します。

通常、独立開業を行う際には最寄りの税務署に「個人事業の開業・廃業等届書(通称:開業届)」を提出します。

法人の場合は会社名をつける必要がありますが、個人事業主の場合は屋号をつけることは絶対ではないのです。しかし、個人事業主としてスタートするのであれば、屋号を付ける事で認知度を増やすことができます。例えば、ステッカー・名刺・ホームページ・求人募集を行う際にも、屋号があることで認知・信用を与えることが出来ます。

このため、軽貨物での独立時にも屋号をつけることで、認知・信用を増やすことができ、結果として競合他社とも比較されて仕事も取りやすくなったりとメリットもあります。


 ◆ 自分の屋号を認識してもらえる

個人名で覚えてもらうよりも屋号名を認識してもらいます。単純に個人名を覚えてもらうよりも、【屋号名+個人名】で覚えてもらう事によって荷主様から別の案件の紹介や、協力会社様との提携に進みやすいのです。その上で名刺やホームページやSNSなども作っておくと活用できる機会が増え、商談時の安心や銀行で融資を受ける際にも信用度が増します。


 ◆ 屋号+名義の銀行口座が開設可能

屋号+名義の銀行口座を開設可能な銀行も増えてきてます。(三菱UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、ゆうちょ銀行、楽天銀行、PayPay銀行など)

屋号+名義の銀行口座を開設を行うことで、取引先からの信用を取れることが最大のメリットです。また、事業用の銀行口座とプライベートの銀行口座は、確定申告の際に管理しやすいので区別するのがおすすめです。


 ◆ 屋号の登録方法

開業・廃業等書(通称:開業届)】に自分で考えた屋号を記入して登録します。開業届を提出する時に屋号が決まってなかったり個人名としてスタートしていても、その後に屋号をつける場合は、【確定申告時】にも登録が可能になります。屋号を変更したい場合も可能で、屋号が他社と被ってしまう事もありますが、これに関しても特に問題はありません。但し、『株式会社○○』や『○〇〇法人』『○〇〇合同会社』などは、法務局に登記した法人格を持ってる法人にしか使用できません



 ●軽貨物運送業界の会社に所属

既存で軽貨物運送事業を行っている企業に個人事業主として所属(契約)しお仕事をします。

ほとんどの場合、企業側から「自社ドライバー」=「個人事業主」を指します。

自社で社員を雇いドライバー雇用するよりも、個人事業主に仕事を依頼する体制の方が主流です。※この辺りは前回のブログにも紹介した社員登用の難しさも起因してます。



 ○ メリット

軽自動車を購入しなくても、レンタル制度やリース制度など安くメンテナンス付帯制度を利用できる

自分に合った時間や仕事内容を紹介してもらえる

所属会社の実績に基づいた幅広い仕事を紹介してもらえる

自分自身の管理のみ

複数の案件を受けたとしても、所属の会社からの紹介であればやりとりは1社で済む

請求書や日報なども所属の会社のみで済む

外せない用事や体調不良など、止むを得ないお休みに対しての代走対応などの措置がある

仕事内容を変えたい、増やしたい際に所属の会社に相談できるので営業活動が不要

働きやすい様、様々なサポート体制がある


 × デメリット

管理費や手数料などが引かれる

個人事業主ではあるが所属会社の看板を利用して仕事に就くので責任が問われる

会社ごとで案件単価の違いやルールが存在する

案件先での改善点や相談なども所属会社に相談する必要がある

所属会社の管理体制や担当者ベースで対応やスピードに大きく違いがある

 ●軽貨物の会社(法人)について

弊社も軽貨物の会社(法人)として事業を営んでますが、同業の協力会社様と提携してお仕事を共有しております。

そこにはたくさんのメリットがあります。


 軽貨物を営んでいる会社によっては、以下のような強みにフォーカスしてる場合があります。


 

 【エリア】を特定して地域密着型で拡大している企業

(東京23区限定、足立区限定など)


 【業種(特殊)】を特定して業務特化型で拡大している企業

(宅配・保冷案件・ルート配送・企業専属便・チャーター・長距離など)

 

 このように、会社によっては『何らかの強み』を持ってフォーカスしてる場合が多いので、協力会社として提携することで、自社の領域以外にもリーチを広げて仕事も取れるようになります。軽貨物運送事業の会社様も増えてきてるのでそれぞれ考え方や社内ルールなどは違いますが、従業員数や協力会社様と提携してる会社は荷主様からの依頼が多いと思います。


 上記でも説明したように個人事業主として企業に所属(契約)して仕事を共有し、そこで学んでから【法人化】する事が一番の近道だと思います。


 [軽貨物運送事業=儲かる(需要が高いので仕事に困らない)]と思ってる方が多いですが、独立して自分が経営者になったからといってもそう簡単に仕事が取れて儲かる事は無いです。仕事を取る【営業する】にあたり、一人よりも協力会社様と提携してる方が仕事は取りやすいのです。屋号をつけて独立を選んでも仕事を取る事に苦戦する方が殆どだと思います。また、法人と事業主では銀行からの信頼が圧倒的に異なるので、融資を受けるにあたって運での差があります。独立=敵対ではなく、同業の企業様と提携して協力会社として仕事を共有することがベストだと思います。




 

 ■軽貨物業界の独立開業・会社所属のまとめ


 冒頭にも書きましたが、今回はあくまで個人事業主として独立開業するか既存の会社に所属するかの2択での解説をしました。

もちろんですが、どちらを選択してもメリット・デメリットは存在します。

なのでポイントとしましては、事業を行う上でのビジョンやスケールが大事になります。


経営者となり人材を増やして事業を拡大したいのであれば

【独立開業】


自由な時間を取りながら1人でやったらやった分だけ稼ぎたいのであれば

【会社所属】


 といった様に、どういった形で仕事をしていきたいかがポイントになると思います。

弊社ではそういったメリット・デメリットも踏まえ、所属していただいた際に働きやすい環境作りや管理体制などに日々注目し、力を注いでおります。

また同時に所属しドライバーとして経験を積んでいただいた後に、個人事業主から独立開業までのサポートも行っております。


 どちらを選択しても、SGでお仕事をして良かったと感じていただける様、社員一同尽力いたしています。


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