株式会社SG 代表取締役 庄司

2020年2月26日11 分

軽貨物運送事業で使用する車両選定方法について

最終更新: 2023年8月4日

 さて、今回は車の選定方法について解説をしていきます。

 軽自動車といっても、『様々なメーカーが多くの車種を販売していてどの車が良いのか分からない』『どのように入手するか』などを検討されることが多いかと存じます。


目次


■軽貨物車両選定方法の答え

■軽貨物で使用する車両の選定事前準備(事前知識)

●<ステップ1>使用用途

●<ステップ2>車両の形状

●<ステップ3>積載量

●<ステップ4>取得方法

■軽貨物車両の選定方法

●購入の場合(新車、中古)

●リースの場合

●レンタルの場合

■軽貨物車両の選定方法について最終まとめ

■おまけ

●任意保険
 
●冬の使用時


■軽貨物車両選定方法の答え

早速ではございますが、SGが考える答えから回答します。

車は貨物用の車を選択し、形はバンタイプを選択し、積載量は350kgの一点推し

購入は直ぐにせずレンタルから始める。

その後「中古車での購入(ローン・一括)」か「新車でのリース」を選択検討。

任意保険は保険代理店などを通して加入し、冬用にチェーンを用意すべし。

 それでは、解説に入ります。

■軽貨物で使用する車両の選定事前準備(事前知識)  

ステップ1~ステップ4で解説いたします☆

●<ステップ1> 使用用途

まずは、ざっくりと大きく分けて「軽自動車」には2種類のタイプがあります。

※形での判断ではありません。


 

 ▼使用用途▼

===========

【乗用車】or【貨物車】

===========
 

 そうです、使用用途がそもそも異なるのです。


 

  乗用車は人が快適乗ることを目的として作成されており、貨物車は荷物を運搬することを目的として作成されてます。簡単な見分け方は、ナンバープレートが「5ナンバー」か「4ナンバー」かで見分けられます


 

 例)

【足立480 あ 00-00】は、4から始まるので貨物目的の車です。

【足立500 あ 00-00】は、5から始まるので乗用目的の車です。


 

 使用用途が貨物車なのかをまずは選定するのが第一条件となります。

※「5ナンバー」が黒ナンバーを取れないわけではないのですが、座席を取ったり

このあと説明する積載量などが100kgまでなどの制限が掛かるのでお勧めできません。


 

●<ステップ2> 車両の形状

 次に選択しなければいけないのは、形です。
 

 形は大きく分けて以下の4つから選択することになります。

============

「バンタイプ」

「保冷機能付き車両」

「幌車」

「トラック」

============

 一番オーソドックスなのは「バンタイプ」です。

車を買う時点で、稼働する案件が固定で決まっているのであれば、用途によって選択する必要がありますが、そのようなケースは少ないかと思います。
 

 このため、使用用途の制限が比較的少ない一番ベーシックな「バンタイプ」がお勧めです。

●<ステップ3> 積載量

 次に選択しなければいけないのは、積載量です。

 軽自動車での最大積載量は350kgです。

普段の積載が350kgを積んで稼働するわけではないのですが、最大積載量は350kgにて

選択することを強くお勧めします。

 最大積載量350kgの車両と最大積載量100kgの車両が存在します。

※100kgは乗用車が多いです。
 

 『100kgでも可能なのでは?』と思われることが多いかと思いますが、確かに宅配の案件などでは100kg未満の積載が多いのですが、法人向けルート配送などの案件では100kgを超える可能性が多いのと、宅配の案件でもクライアント側では「最大積載量350kgの車両」を使うことが暗黙の了解に近い部分があり、最大積載量100kgの車両は難色を示す企業が多いのが実態となります。


 

●<ステップ4> 取得方法

 次に選択しなければいけないのは、取得方法です。

 大きく分けて以下の3つの取得方法があるかと思います。

============

「購入(ローン・一括)」

「リース」

「レンタル」

============

次に選定方法について、これから細かく書いていきます。

■軽貨物車両の選定方法

 車を用意するにあたって上記でも説明しましたが、購入・リース・レンタルの3パターンがあります。用途によって車の形状も変わってくると思いますが、

新車を購入するべきか?中古車を購入するべきか?リースとレンタルは何が違うのか。

一番お悩みになるポイントかと思います。

次に購入についてを書きますので車を購入する際に以下を参考にしてみてください。
 

 軽貨物ドライバーの年間走行距離は平均で30,000〜50,000㎞となっていて自家用車の10,000㎞に対して3〜5倍もの距離を走ります。更に荷物を乗せて車にも負荷を与えるので小まめにメンテナンスをすることが重要になります。軽自動車の乗り換え目安が100,000㎞となっているので、車両を購入した場合の走行距離(100,000㎞到達)を目安にした算出結果が以下の通りになります。

●購入の場合(新車、中古)
 

以下のパターンに沿って、記載をしていきます。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

①新車購入5年ローンの場合

②中古車5年ローンの場合

③新車購入、1ヶ月3,000㎞走行で36ヶ月での月割  

④中古車購入、1ヶ月3,000㎞走行で36ヶ月での月割

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 ・軽バン スズキ エブリィ 車両価格96.8万〜153.3万

 ① 新車購入5年ローン 

PA(ハイルーフ) 2WD・5MT

総額968,000円(税込)   

5年ローン 17,424円(税込)/1ヶ月 

※頭金0、ボーナスなし、(金利が8%の場合)

 ② 中古車購入5年ローン 

PA(ハイルーフ) 2WD・5MT

総額670,000円(税込)   

5年ローン 12,060円(税込)/1ヶ月 

※頭金0、ボーナスなし、(金利が8%の場合)

 ③ 新車購入月割 (スズキ エブリィを96.8万円で車両購入)

1ヶ月=3,000㎞ × 12ヶ月   = 36,000㎞

     3,000㎞ × 36ヶ月   = 108,000㎞

968,000円÷ 36ヶ月  = 26,889円/1ヶ月(小数点切り上げ)

※1ヶ月で3,000km走行する場合、34ヶ月で10万㎞に到達します。

 ④ 中古車購入月割 (スズキ エブリィを67万円で車両購入)

※購入時の走行距離は4万㎞として換算

  1ヶ月=3,000㎞ × 12ヶ月  = 76,000㎞

     3,000㎞ × 36ヶ月  = 148,000㎞ 

    670,000円 ÷ 36ヶ月  = 28,000円/1ヶ月

※購入時4万㎞で1ヶ月で3,000km走行する場合、20ヶ月で10万㎞に到達します。

 ・軽バン トヨタ ピクシスバン 車両価格111.6万〜139.7万

 ① 新車購入5年ローン

スペシャルクリーンバージョンSA III(ハイルーフ2WD・4AT)

総額1,116,500円(税込)   

5年ローン 20,097円(税込)/一ヶ月 

※頭金0、ボーナスなし、(金利が8%の場合)

 ② 中古車購入5年ローン 

660 デラックス ハイルーフ

総額699,000円(税込)   

5年ローン 12,582円(税込)/1ヶ月 

※頭金0、ボーナスなし、(金利が8%の場合)

 ③ 新車購入月割 (トヨタ ピクシスバンを111、65万円で車両購入)

1ヶ月=3,000㎞ × 12ヶ月   = 36,000㎞

     3,000㎞ × 36ヶ月   = 108,000㎞

1,116,500円 ÷ 36ヶ月  = 31,014円/1ヶ月(小数点切り上げ)

※1ヶ月で3,000km走行する場合、34ヶ月で10万㎞に到達します。

 ④ 中古車購入月割 (トヨタピクシスバンを69、9万円で車両購入)

※購入時の走行距離は4万㎞として換算

  1ヶ月=3,000㎞  × 12ヶ月  = 76,000㎞

     3,000㎞  × 36ヶ月   = 148,000㎞ 

    699,000円 ÷ 36ヶ月  = 19,417円/1ヶ月(小数点切り上げ)

※購入時4万㎞で1ヶ月で3,000km走行する場合、20ヶ月で10万㎞に到達します。

 ・軽トラック ダイハツ ハイゼットトラック  車両価格84.7万〜143万

 ① 新車購入5年ローン

スタンダード

総額847,000円(税込)   

5年ローン 15,246円(税込)/一ヶ月 

※頭金0、ボーナスなし、(金利が8%の場合)

 ② 新車購入月割 (ダイハツ ハイゼットトラックを84、7万円で車両購入)

1ヶ月=3,000㎞ × 12ヶ月   = 36,000㎞

     3,000㎞ × 36ヶ月   = 108,000㎞

   847,000円 ÷ 36ヶ月  = 23,538円/1ヶ月(小数点切り上げ)

※1ヶ月で3,000km走行する場合、34ヶ月で10万㎞に到達します。

 ③ 中古車購入5年ローン 

スタンダード

総額460,000円(税込)   

5年ローン 8,280円(税込)/1ヶ月 

※頭金0、ボーナスなし、(金利が8%の場合)

 ④ 中古車購入月割 (ダイハツ ハイゼットトラックを46万円で車両購入)

※購入時の走行距離は4万㎞として換算

  1ヶ月=3,000㎞ × 12ヶ月  = 76,000㎞

     3,000㎞ × 36ヶ月   = 148,000㎞ 

    460,000円 ÷ 36ヶ月  = 12,778円/1ヶ月(小数点切り上げ)

※購入時4万㎞で1ヶ月で3,000km走行する場合、20ヶ月で10万㎞に到達します。

次にリースについてを書きます。

●リースの場合

リースの場合、大きく分けて2つパターンがあります。

※支払期間は一般的には、72ヶ月が主流です

========================

・支払期間を設定し、総額の分割を月々支払う

設定した支払期間が満了後:自身の車両とする

・支払期間を設定し、総額の分割を月々支払う

設定した支払期間が満了後:自身の車両とはせずに再度リースを組み直す

========================
 

 上記の2パターンが大きく分けたリースのパターンです。

 また初回乗り出し時に車検に通してリースがスタートするが、途中に迎える車検は含む含まないプランが決められる。ほとんどは自身で車検を通すパターンです。

自動車重量税、自動車損害賠償責任保険料なども初回のみ含まれる。

任意保険は別で契約する必要があります。


 

 ・ スズキ エブリイの場合

走行距離4万キロ〜6万キロ程度

平成27年式(だいたい5年落ち程度の年式)

月々12,100円(税込10%)×72ヶ月=871,200円

月々の走行距離設定は1,500kmとしてます。

 【自身の車両とする場合】

設定支払期間(72ヶ月の設定が多い)後に、自身の車両にする場合は残価を初めに設定し、その金額を支払う事により自身の車両となります。

残価は総額とは別で発生する金額です。


 

 【自身の車両としない場合】

設定支払期間(72ヶ月の設定が多い)後に、自身の車両としない場合は、再度同じ条件でのリースの組み直しが可能となる。

また、車両継続してリースを続行することも可能で、その場合は月々の金額がさらに下がる仕組みとなっている。

 リースは基本的に【どこまでを含むか】で変わってきます。

走行距離も年式もリース車両はちょうど良く、

月々12,100円と凄く費用は抑えられていますが月々1,500kmという設定は中々軽貨物ドライバーとしては案件次第となり、宅配案件などであれば叶えられる走行距離です。

ですが基本的なメンテナンスなどは自身で負担するケースがほとんどです。


 

次にレンタルについて書きます。
 

●レンタルの場合

あくまでSGでの車両レンタルの場合を書きます。

・1ヶ月間(月額貸出)

車両価格20,000円

任意保険15,000〜20,000円

貨物保険1,000円

車両レンタル総額=41,000円

 SGでのレンタル制度はココが違う!基本レンタルは消耗品などは自身で負担する場合がほとんどですが、SGでは消耗品まで会社が負担します。

もちろん車検代や重量税、自賠責、自動車税なども全て会社負担!
 

 消耗品(オイル・エレメント交換、、タイヤ交換、電球関係など)

基本的にドライバーさんに過失のある故障以外は会社が負担します。

 ・会社が負担しないケースについて

業務以外での故障・事故

月に1度のオイル交換、定期メンテナンスなどを怠った場合

本人の不注意による故障窓
 

 基本的には業務以外の使用はしないという契約になりますので、私用での故障や事故は対象外となります。

また費用がかからないのに指定工場へオイル交換や定期メンテナンスなどを怠った場合なども対象外です。

 月々の金額は購入やリースより高く感じるかと思いますが、月々オイル交換3,000円〜5,000円などが含まれていて、なんと言っても一番は車検代です。

軽車両の車検代は約10万円前後掛かってきます。

2年に一度車検があるので月々に換算したら4,167円

任意保険が15,000〜20,000円

この他に消耗品費などがかかると考えると一見月額が高く見えますが、一番お得になるかと思います。
 

■軽貨物車両の選定方法について最終まとめ

 今回は軽貨物運送に必要不可欠な軽貨物車両の選定方法について書きましたが、購入、リース、レンタルの3パターンともにメリット・デメリットが存在します。

どの部分を軸に考えるか次第で選定方法が変わってきます。


 

【新車⇄中古車】


新車を購入した場合

総額費用が高いものの、新車ですので初期段階での保証もありイレギュラーな修理費などの出費は抑えられます。

中古車を購入した場合

総額費用が低いものの、中古車ですので予想外の故障などでイレギュラーな修理費の出費などがかかる場合もある。


 

 「予想外の出費を抑える」→「金額が高い」

「金額を抑える」→「予想外の出費」

正直、中古車に関しては「運」です。

それまでの乗り方、メンテナンス状況などで車両寿命も変わります。


 

 その点、リース車両についてはランニングコスト(消耗品、車検代など)はかかりますが過失のない故障などによる出費は抑えられ一定の金額で乗り続けることができますし、最終的には自身の車両にする事も可能です。
 

 最後にレンタルですが、車両レンタル費以外には本人に過失がない以上はガソリン代のみの出費で抑えられます。

レンタルの場合にも書きましたが、購入やリースはあくまで車両に対しての金額でメンテナンスや保険などは含まれていません。

その点を踏まえると全てが含まれているレンタルが一番お得になると思います。
 

 これから軽貨物運送を始める方であれば「レンタル」がオススメです。

理由としては、リスクが一番少ないからです。ただ、これはあくまでも見極めるまでに限られます。物件の賃貸もそうですが、結局は自分の所有物にはならず、支出した分が資産にはならないからです。


 

 SGではレンタル制度の後に低価格での車両購入までを可能としています。

気になった方は是非一度お問い合わせください。
 

※レンタル制度に関してはあくまで会社によってどこまでが含まれているのかが違います。

検討の際に必ず確認をしてください。

 車の選定方法などを簡単に説明させていただきましたが、いかがでしたか?

その先に今度はどのような車両がオススメなのか気になりますよね?

次回は「軽貨物運送で使用するオススメ車両」について書かせていただきます♫
 


 

■おまけ 

●「任意保険」

任意保険は、乗用ナンバー(黄色のナンバープレート)・商用(黒色のナンバープレート)によって加入できる保険が制限されます。

一般的にネットで加入可能な低価格保険は乗用を目的とされてますので、黒色のナンバープレートの場合には加入出来ません。このため、保険代理店などを通して貨物運搬用に任意保険を加入する必要があり、黄色のナンバープレートに比べて高額となってしまうのが一般的です。
 

●「冬の使用時」

チェーンを買うか・スタッドレスタイヤを買うかで悩まれることも多いかと思います。

もちろん使用する場所や、その年の降雪量でも変わるとは思いますが、都内での配送がメインであればチェーンを購入することをお勧めします。

これは軽貨物に限定される話ではないですが、1年を通して数回しか積雪する可能性がない東京では、スタッドレスタイヤを購入して保管による劣化やすり減りなどを考慮するより、使わなければならない状況に至った時にチェーンを使用すれば良いのです。

昔と比べてチェーンも簡単に装着・脱着が可能となりましたので、チェーンの方が遥かにコストパフォーマンスに優れています。

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