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執筆者の写真株式会社SG 代表取締役 庄司

任意保険加入は必須?軽貨物運送事業で使用する事業用ナンバーへの保険適用とは

更新日:10月25日

 弊社にはドラバーさんや協力会社より「任意保険って加入はどうしてる?」と相談を受けます。勧誘されるのでは?と懸念があって、保険会社へ聞くのを躊躇することが多いようです。このため、今回のブログでは軽貨物運送を行ううえで、加入検討すべき保険の種類をまとめさせていただき、紹介いたします。

任意保険加入は必要(軽貨物運送事業で必要な保険の種類解説))

 

目次

 

 ●自賠責保険

 ●任意保険

 ●イメージ図

 ●車両保険を付けるか否か

 ●貨物車両に対する任意保険が割高な理由

 ●フリート契約

 ●ノンフリート契約

 

■軽貨物運送業界ならではの貨物車両に対する加入保険

軽貨物運送事業を営んでいく上で軽貨物車両は必要不可欠なのはどなたもご存じかと思います。その上で車両に対しての保険はどうなるのか。。。強制保険とは別で任意保険も加入必須なのか。。。


 結論から申し上げますと、必須です!!

なぜなら自賠責保険と任意保険では補償の範囲が違い、自賠責保険だけでは補えない部分が生じる可能性があるからです。


 名の通り「保険」なので事故などが起こってしまった際に自身にとっても相手方にとっても補償されるものであって使う事象が起きない事がベストではありますが、万が一事故が起きてからでは遅いですよね。

 また任意保険に加入していないと契約出来ない荷主(クライアント)も多く存在します。


※本ブログはあくまで読者様にとって有意義な情報源に少しでもなればと思い書いております。なので保険の勧誘等ではありません(笑)


■強制保険と任意保険の違い

車両に対する保険としては大きく分けて2つの保険が存在します。

  • 強制保険として自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)

  • 任意保険(自動車保険)


●自賠責保険

自動車を使用する際に損害保険会社と契約が義務化されている保険を自動車損害賠償責任保険と言います。


●任意保険

自賠責保険では補償されない部分を補うための保険を任意保険(自動車保険)と言います。

では、強制保険と任意保険では補償内容がどのように違うのかを説明していきます。


●イメージ図



自賠責保険と任意保険の補償の違い

 大きく違うポイントとしては、任意保険では全ての項目に適用しています。

自賠責保険では相手方への補償として「死傷枠」で傷害・死亡・後遺障害毎に補償限度額が決まっている中で、任意保険は対人対物無制限にできるなどの違いも見受けられます。また自賠責保険は自身に対しての補償は一切ないのも特徴です。

※対人・対物無制限が基本的な加入内容となります。

どのような事故を起こしてしまうか、対人事故なのか単独物損事故なのかは予想もつきません。なので無制限枠にすることをお勧めします。


●車両保険を付けるか否か

車両保険は車両自体にかける保険です。 交通事故、自然災害、駐車場でのいたずらや、飛び石でフロントガラスにヒビが入ってしまった等、車両の修理が必要になる場合に、 車両保険に加入している事により修理が必要になった際、保険金が支払われます。 車両保険有無で有りの場合、任意保険料は高くはなりますが、車両保険は自分の車の損害分を補償してもらえる様になります。

補償範囲には交通事故、盗難などはもちろんのこと、自然災害に対しても適用範囲です。


 保険金額の選定はあくまで初年度登録から計算した時価での判断となるので、新車なのか乗り潰す予定で購入した中古車なのかなど状況により付けるか否かは検討されればいいかと思います。


■4ナンバー(貨物車両)5ナンバー(乗用車両)での任意保険の違い

軽貨物運送事業では軽自動車を使用して配送・配達業務を行いますが、軽自動車であればいいのかと言うとすべての軽自動車が貨物車として該当するわけではありません。また、任意保険の枠に関しましても変わってきます。


4ナンバーはいわゆる黒ナンバー(貨物用ナンバー)

4ナンバーはいわゆる黒ナンバー(貨物用ナンバー)

5ナンバーは黄色ナンバー(乗用車ナンバー)

5ナンバーは黄色ナンバー(乗用車ナンバー)

 もちろん目視で明らかにナンバー色が違うので見分けは一目瞭然ですが、見分けるポイントとしては車検証の【用途】です。用途が「貨物」「乗用」と2種類あり、そのどちらかで貨物車として使用するのに適しているかがわかります。

車両の規格に対して貨物用として登録することも可能ですが、用途が「乗用」となっている場合に積載量が350kgとならない事が多く、軽貨物運送のお仕事で使用するには適していません。

 そこで貨物車両に対する任意保険料金は乗用車用の任意保険よりも2倍ほど割高になっています。ではなぜ割高なのかを説明します。


●貨物車両に対する任意保険が割高な理由


       ☆Point☆

  • 乗用車用任意保険:特定の人

  • 貨物車用任意保険:不特定多数の人

 乗用車用の任意保険は自家用車として使用されて、「特定の人を対象」にすることにより補償内容なども特定していくことで金額が安いです。それに対し、貨物車両用の任意保険は「不特定多数の人が対象」となることにより制限出来ないことなどから保険料が割高となっています。


 やはり一般的に自家用車はが乗る人が特定される事やあくまで自家用車です。

乗用車用の任意保険ですと、年齢や免許の色などファミリー特約など様々な契約体系があり保険会社により金額の違いがあります。また今ではネット保険なども主流で更に保険料を安く抑えることなどが可能となっています。


 貨物車は不特定多数の人が乗る可能性があり、更には事業用ナンバーな訳ですからそもそも業務での使用であり車に乗っている時間がほとんどです。

乗用車用の保険とは違い乗る人を特定できないことから、年齢や免許証の色などで保険料は変わりません。最初の任意保険の金額は一律です。

 また、貨物用の任意保険はネット保険では事業用の保険は引き受けてくれない事が多いのが現実です。

 もちろん1年間無事故であれば「等級」が下がっていき、乗用車用の保険料同様に保険料は安くなります。


■企業が加入する場合の契約体系

企業が貨物車両を複数台所有している場合に保険会社さんと任意保険を契約する際に大きく分けて2つの契約体系が存在します。


  • フリート契約

  • ノンフリート契約

フリート契約とノンフリート契約


●フリート契約

自動車保険を契約している「所有・使用自動車」が10台以上ある契約を指します。

なので10台以上所有・使用している事が条件となります。

9台以下の場合は必然とノンフリート契約となります。

なので、ほとんどの業務委託(個人事業主)の方や10台に満たない場合はノンフリート契約となります。


 フリート契約の割増引率は、総契約台数や使用した保険金の割合、前年のフリート割増引率によって決まります。


●ノンフリート契約

基本的にどの保険会社さんと契約しても等級は通常1~20等級に分かれていろ事がほとんどです。


等級は1年に一度決められ、「等級が高いほど保険料は安くなる」⇄「等級が低いほど保険料は高くなる」


 新規契約の場合は6等級からスタートし、1年間自己などが無く保険を使わなければ翌年の更新の際に等級が上がり保険料は安くなります。

一方で、事故を起こしてしまい保険を使わざる負えない場合、契約更新時に等級は下がり保険料は高くなってしまいます。


 また3等級事故で保険を使用して際に元の等級に戻るまでに3年間かかってしまいます。。。


 ノンフリート契約の割増引率は、「等級(1~20等級の区分)」「事故有係数適用期間(無事故・事故有の区分)」により決定されます。

※この「等級」は仮に保険会社を切り替えたとしても引き継がれることになっているの注意。


 等級は、1年間で一度でも保険を使えば下がります。

事故が起きた際に車両修理費用や使った場合の保険料上昇率などを確認し翌年以降に支払う保険料を比較して、保険を使うのか使わずに現金での対応をするのかを検討することをお勧めします。


■貨物保険(運送業者貨物賠償責任保険)について

自賠責保険・任意保険とは別ですが、軽貨物運送事業には荷物に対する保険も必要なケースが存在します。


 それはどのような保険かと言いますと、【運送業者貨物賠償責任保険=貨物保険】と言います。

「受託貨物に損害が生じたことにより負担する損害賠償責任を、補償される保険となります。」


 基本的にどこかの運送会社さんとの業務委託契約で稼働をしている場合、依頼主の貨物保険に対して保険料を支払い適用させるケースが多いかと思います。

中には個人でも加入している条件が必須となり年間で契約するケースもあります。


 中には任意保険に付帯させる特約として加入できる保険会社さんも存在します。

 適用とされる部分に関しましては、輸配送時に対する荷物の補償(破損、紛失、盗難など)です。過失が無い限りほとんどは適用範囲内となりますが、過失判定などをされてしまって使えないケースも存在します。


 保険料につきましては、1事故に対する支払い限度額(500万円、1,000万円等)を設定し免責の金額(5万円、10万円まで等)を設定します。法人の場合は前期の総売上金額に基づき保険料が決まります。


■まとめ

最後に、軽貨物運送事業を営む上で任意保険(自動車保険)の加入を検討しているのであれば、迷わず加入をお勧めします。やはり自賠責保険の補償適用範囲のみでは補償内容が足りないのが現実です。昨今では実際に自家用車であっても任意保険(自動車保険)の加入はほとんどが当たり前化しているのが現状です。


 法人であれば10台以上車両を保有するのであれば割引率がやはり1台1台の契約となりノンフリート契約よりも割安になることからフリート契約がお勧めしたいところではありますが、デメリットとして全体が対象となる部分が9台が事故がなくても1台が大きい事故を起こし保険を使用せざるおえないケースなども起こり得ます。

なので結局は会社としての意向(事故の大小(損害額)により使用を選定する等)に沿った契約が一番好ましいです。

 弊社では業務委託契約する個人事業主さんから協力会社さんまで契約時に「保険」に関して相談を受けることが多々あります。

パートナー募集を積極的に行なっておりますので、是非お問い合わせくださいませ。



企業の状況によって適している契約は様々ですが、結論「保険」なので事が起きた際にどう対処できることがベストかを常に考える事につきます。

なので使わないに越した事は無いですし、使う事象が起きない事がベストです。

ですが、いつもお伝えしている部分としては、私たちの営む軽貨物運送事業は軽自動車で配達・配送を主とした事業です。常に事故と隣り合わせな状況下である事が現状です。

 自身・自社にあった保険の契約を保険会社さんに相談してみる事が好ましいですね!


 軽貨物運送で働いてみたい!と考えているドライバー様も随時募集しております。安定的な収益を上げたい!ガッツリ稼ぎたい!など、要望をお伝えくださいませ。



 それでは、また次回のブログを楽しみにしていてください。

もしも、書いて欲しい情報や難しくて分かりづらい部分などあれば、ブログの題材として解説しますので、是非是非ご要望をくださいませ!!


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